顎関節症
顎関節症
顎関節症とは何らかの原因で下顎の位置がずれて左右の顎関節のいずれかまたは両方に負担がかかり、痛みや雑音・クリック音が生じ、悪化すると開口障害や顎関節脱臼が起こる病気です。
原因としては
1.虫歯や歯牙欠損の放置
2.歯列不正
3.習慣的な悪癖(頬づえ・偏った姿勢など)
4.外傷
5.歯ぎしり
6.顎変形症
治療法としては、上下いずれか、主に上顎の歯列にスプリントと呼ばれるプラスチックのマウスピースを装着して、下顎が上下の歯のかみ合わせに規制されずに左右の筋肉(咀嚼筋、舌骨上筋、舌骨下筋)のバランスがとれて、顎関節が楽な位置に下顎が移動するようにします(スプリント療法)。さらに、この位置が定まったなら、この位置で咬合の再構成をして上下の歯列がかみ合うようにします。そのためには、わずかな咬合調整で済む場合もあれば、すべての歯の補綴が必要になったり、全顎矯正が必要になることもあります。
したがって、現実的にはスプリント療法とわずかな咬合調整で症状が改善したなら、経過観察とし症状が現れたら随時スプリントを入れる対症療法を行うことが多いです。
スプリント療法の他に、顎関節の外科手術がありますが最近はあまり行われなくなりました。
また、顎変形症の場合は、原因が顎関節でなく下顎骨の左右非対称の成長なので、大学病院などで顎骨切除術と矯正治療が必要になります。